ケニックカレーは、店主ケニックが自宅にて友人たちに振舞っていたカレーが原点です。ベースは、大学の頃に先輩に教わった、とあるカフェのレシピからですが、それから15年以上経ち、 沢山のプロの先輩方や友人のアドバイスや様々な試行錯誤と経験を経て、今や全く別の完全オリジナルのキーマカレーとなりました。 元々、ケニックはプロダクトのデザインや雑貨のディレクションを個人で手がけていました。周りに素晴らしいアーティストも沢山いたのでキャンバスになるものを探して、デザインを借りるコンセプト。 やがてネタ切れし、次は何が良いかなと相談した時、とある友人からは「スケートボードのデッキはどう？」という一言。スケボーしない自分がデッキを作っても嘘くさいなあと思った時、 果たして自分自身の大切にしているものって何だろう？ そんな時に、色んな人に出会い、今の自分を作り上げてきたのはカレー（食）だなと気づきました。 覚悟を決めてカレーで勝負してみようと思ったところ、桜丘のセレクトショップDESPERADOのオーナー泉さんとたまたまお話する機会があり「面白いね」と、二つ返事でゴールデンウィークのイベントに出店。 2014年春のことですが、2週間毎日キッチン環境のない外の小屋でカレーを作り続けました。風邪も引いていたし、休みもなかったけど、必死に作り、おかげさまで毎日完売しました。そこからスタートしたケニックカレーも、また別の縁で、間借り営業することになりました。 イベントで完売していたこともあり、簡単にお店も運営出来るかなと思っていましたが、全然認識が甘くて、最初の1年はほぼお客様が来なかったのを覚えています。2018年2月末のマツコの知らない世界に出演させて頂くまで、こんなに御来店頂く毎日は夢のようでした。 今でもその時の気持ちはずっと忘れていません。こんな感じでなんとかやってきたお店も6年が経過しました。楽しいことより辛いことの方が多かったですが、 それでも続けられているのは、常に乗り越える壁を越えては消えを繰り返しているから。 例えば、KENICKCURRYのロゴは、母方の祖母が樺太からWW２の時に逃げてきたので、キリル文字風にしてあるとかカレーではなく魯肉飯を出すのは台湾で2005年に一ヶ月ほど野宿していたからとか、だいぶ破損して無くなりましたが漬物を出している陶磁器は昔ケニックがデザインしたものとか、実はこっそり意味があるものを潜ませています。。。。 お店の成り立ちも含めて、知らない方の方が圧倒的に増えたので、今になって記してみました。
コロナもありましたが、そういう訳なので、決して負けません。 また新しいストーリーを作ってカルチャーを紡いでいきます。